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プロジェクト1

『WEM (Wearable Environmental Media)』


キー本研究のキーワード
【WEM(Wearable Environmental Media)】、【拡張現実感】、【位置情報サービス】、【3Dコンテンツ】

インタビュービデオはこちらからご覧いただけます。

■ 研究者

小檜山 賢二 慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科



■ 研究内容の概要:

次世代のモバイルマルチメディアにおけるキー技術となる環境メディアをとりあげ、そのポジショニング・社会的に与えるインパクトを考察すると共に、具体的なシステム研究・構築をおこなう。

その視点は以下の通りである。
  • 人と自然の新しい関係構築、異文化間の相互理解に貢献する環境メディア
  • ネットワークから情報をもらうモバイルコンピューティングから、ネットワークに情報を提供するモバイルマルチメディアへ
  • 自覚的に携帯して遠隔での情報交換を行う「モバイル・メディア」から無自覚的に遠隔での情報交換をも可能とする「ウェアラブル・メディア」へ
  • wearable environmental mediaよるバーチャル空間の遍在化
  • 実世界と情報世界を融合し、情報的に人間の世界を拡張するAR(拡張現実感)の思想



■ 研究内容の詳細:

1:環境メディアとは

移動通信の特徴は、通信を行う実態がリアルな「場」に存在するということである。このことは、固定的な「場」での通信とは異なり、移動通信を利用するものは、通信を行う「場」から何らかの影響を受けることになる。これを「場」とのコミュニケーションとして積極的にとらえることにより、新しい形態の移動通信サービス創出するのが、本研究の目的である。

「場」とのコミュニケーションとは、リアルな場にいる通信者がその「場」の情報をもらったり、その「場」に情報を付加したりすることを意味する。このような形態のコミュニケーションを可能とするメディアをわれわれは「環境メディア(Environmental Media)」と総称し、その中でも携帯出来るような形態のものを「携帯環境メディア(Wearable Environmental Media:WEM)」と呼んでいる。

携帯型環境メディアは、文字通り自然環境・人工環境とのコミュニケーションを可能とする新しいメディアある。このシステムを実現することにより、「自然と人間との新しい関係の構築や、異なる文化・言語・宗教間の相互理解なお今世紀地球規模で解決しなければならない問題への貢献することができる。

人間は五感で環境情報を取得し、脳というコンピュータで情報を処理・蓄積する。「環境メディア」の究極的姿は、人間と同じ機能を実現するものである。しかし現状では、人間と同じような機能の機器を実現することは難しい。このため、「環境メディア」では、あらがじめ現状の情報機器で認識可能な形態で「場」に情報をおくことにより、「場」とのコミュニケ?ションを可能とする。


2:環境メディアを用いた移動通信システムの研究

 トータルシステム:
 システムは、移動する人間が使用するメディア(WEM)、そこに有効な情報を送るためのマルチメディアデータベースを含むミドルウェア、データベースに取り込む情報の収集システム(MEG:Mobile Data Gathering System)の3要素で構成される。これらの各システム要素の機能分担、アーキテクチャの研究を進める

 移動する人間が使用するメディア:
 環境メディアに使用する情報通信機器の研究・開発を行う。具体的には、PDAの機能の活用、めがね・時計をはじめとする携帯機器の通信への適用の可能性、位置センサー・角度センサー・臭いセンサー・温度センサー・湿度センサー・角度センサーなどの利用などの検討を通して、環境メディア用の携帯機の姿を明らかにする。

 マルチメディアデータベースと情報収集システム:
 本システムではリアルな世界にいる者を対象に、ヴァーチャルな情報を提供する。また、情報の種類もリアルな世界からの収集が必須条件である。このため、オンライン性・インタラクティブ性を考慮したミドルウェアとデータベースの構築および情報収集システムの研究開発を行う。

具体的には、昨年試作したMEGシステム(Mobile Data Gathering System)のデータベース構造のみなおし、センサーネットワークの導入への対処などを行う。

 WEMポイント:
環境メディア実現の鍵は、位置情報の取得である。GPSの適用が主体となると考えられるが、GPSの動作しない場所(屋内、地下街など)も多い。WEMポイントは、これを補助すると共に、「場所」固有の情報を格納したり、その「場所」での相互通信の補助を行う機能を有する。概念として例を挙げれば、位置情報付与機能、道路情報蓄積機能、ネットワークへのGateway機能などを保有する道路標識・看板などである。

 コンテンツ:
 環境メディアをより有効に活用するためには、コンテンツの作成研究が欠かせない。ステレオタイプを含む3Dコンテンツ作成のプラットフォームの研究を行う。



■ 研究の発展方向

 移動通信の新しい可能性を追求し、実用化を目指す。



■ 関連URL

DocomoHouse (Designstudio B bldg, KEIO University SFC)
http://www.wem.sfc.keio.ac.jp

小檜山賢二の微細構造の庭園
http://kohiyama.wem.sfc.keio.ac.jp