『サイバーデモクラシーの研究』
本研究のキーワード
【討論民主主義(deliberative democracy)】【政策争点フォーラム】【サイバーデモクラシー】【電子政府】【政策決定】【マニフェスト】【ワールド・イッシュー】【ローカル・イッシュー】【合意形成】【政策選択】
インタビュービデオはこちらからご覧いただけます。 ■ 研究者
■ 研究内容の概要: サイバーデモクラシーの研究は2つのテーマから成り立っている。一つは「討論民主主義」の方法を実践的に行うかで、第2が、「政策争点フォーラム」をウエッブ上に展開することである。 「討論民主主義」については、その実験を行う準備中で、すでに、概念的な整理やオーストラリア(2002年)やアメリカ(2003年)に行われた「討論民主主義」の実験の運営方法を研究してきた。 「政策争点フォーラム」(National Issues Forum)は国レベルから発展して、「国際レベル」、「地方レベル」のフォーラムへと展開させようとしている。 「政策争点フォーラム」を本格的に作るためには、体系的なデータベースを必要とし、将来的には、そのデータベースは各政党が作るマニフェスト作成の基礎になりうる。 それぞれのレベルの政策争点は、「討論民主主義」の議題としても重要な役割を果たし、政策争点と「討論民主主義」の手法と密接に結びつく。 ■ 研究内容の詳細: 政策争点フォーラムとそれを支えるデータベースと「討論民主主義」は次のような相互関連を持っている。これ全体を、政策争点プラットフォームとする。このシステムは、空間的には世界に広がり、時間的には過去にさかのぼることもでき、毎年の蓄積によって進化発展型のものである。本研究の基本的立場は、力の源泉とは、争点を左右する潜在的能力のことであるとする。 現状の日本が直面している政策争点を、1)外交・安全保障、2)経済、3)市民社会として考えると、それぞれに3つの立場に集約できる考え方がある。それぞれの立場は、いくつかの主張や政策から成り立ち、その主張の根拠が示されている。このような、政策の全体像を見ることによって、国民の選択に際して、一つの地図を示すとともに、政党や政治家がマニフェストや政策を打ち出す際の参考になるように作られている。 2002年版 National Issues Forum
政策争点フォーラムは、「世界の政策争点」へと発展させることができる。2002年度の試作版は、現在の世界の政策選択のためのデータベースの枠組みを作ることからはじめ、まず、多様な争点を2段で政策空間に集約して、最後に3X3のマトリクスにまとめた。 2002年版 National Issues Forum
■ プロジェクト1(次世代サイバースペースインフラとガバナンスの研究グループ)における本研究の位置付け 「政策争点フォーラム」と「討論民主主義」は、大きく合意形成や政策分析の基礎となっている。国民の政策選択と政党や政治家、行政が政策の作成し、それを訴えるための枠組みを提供する。また、さまざまなメディアを利用することによって、批判の多いメディア・ポピュリズムを乗り越える方法として「討論民主主義」があり、「討論」「熟議」の復活と討論の「場」「フォーラム」の生成をめざし、サイバースペース上での可能性を探る。 ■ 研究の発展方向 「討論民主主義」の実験の遂行、World Issues Forumの立ち上げ、マニフェストと政策地図の作成 ■ 関連URL 曽根泰教研究室 http://redwine.pac.sfc.keio.ac.jp/sone-lab/ ■ 関連図版および資料: ・『討論民主主義の可能性』曽根泰教 ・『曽根泰教「情報化と公共性:サイバースペースは『公共空間』たりうるか」』(佐々木毅・金泰昌編『公共哲学 10』東京大学出版会、2002年) |