title


プロジェクト2

『ナレッジメディアプロジェクト』


キー本研究のキーワード
【オントロジ】 【ネットワーク】【コミュニケーション】 【コラボレーション】【プロデュース】【ピアトゥーピア】【メタデータ】【確率過程】【ベイジアンネットワーク】【リアルワールドモデリング】【オブジェクト指向】【ブランディング】【ラーニング】【アダプティブ 【セマンティックウェブ】【知識表現】

インタビュービデオはこちらからご覧いただけます。

■ 研究者

奥出直人 環境情報学部教授兼政策・メディア研究科委員



■ 研究内容の概要:

奥出研究室では、実践的なコンテンツ開発のプロジェクト術を学んでいる。コンテンツ開発には、リアルワールドモデリング手法を用いている。リアルワールドモデリングでは現実社会を直接モデル化し、主にオブジェクト指向言語であるJAVAを用いて開発している。さらに、そこで行われる人間のコミュニケーションを、メタデータやオントロジなどの知識表現を用いてデザインして行くことで、社会性を持ったコンテンツデザインが可能になる。人の知識獲得、知識拡大、知識共有などを支援するナレッジ・メディアの研究を大学院生を中心として進めている。

architecture


■ 研究内容の詳細:

本研究では、JAVAオブジェクト指向言語を用いて開発している。また知識表現としてメタデータではXMLと、さらにメタデータ間の関係をオントロジとしてDAML+OILやOWLを使って記述している。新たなネットワーク技術として、JXTAによるピアトゥーピアや、JINIによる分散協調ネットワークを導入し、個人間のコミュニケーションを主体としたネットワーク形のコンテンツ開発を行っている。リアルワールドモデリングによって、最先端の技術を用いながら、人間のコミュニケーションを促進するようなメディアの開発が可能になる。

研究プロジェクト紹介

1)メディア交換アプリケーション

本研究では、学部生を中心とし、人と人のコミュニケーションを、ピアトゥーピアアプリケーションの開発を行っている。現在、クローゼットと本棚をテーマにした二つのチームが開発を行っている。アプリケーション上に、仮想の本棚やクローゼットを提供し、個人の趣味ややりとりの履歴などコミュニケーションの形態を、メタデータの上に蓄積していく。
 友人と本棚やクローゼットを共有することで、友人の趣味嗜好を知ることができ、モノの持つメタデータをビジュアル化することによって、モノの購入や貸し借りの判断材料を提供するメディアになる。今後は情報住宅としての発展を視野に入れ、より本メディアの使用環境を特定した開発へと移行していく。


2)メディカルインフォマティクス

 修士が中心となり、慶應義塾大学病院麻酔学教室と共同で、腹部大動脈瘤置換術という手術を題材とし、麻酔医の研修システムの開発を行っている。  指導医が行う麻酔行為を、ダイナミックに表現するために、オントロジを通してコンテキストとユースに着目してまとめていき、それを表現するシステムを制作している。それにより、指導医と研修医のコミュニケーションを促進させ、研修時間の短縮、より深い麻酔行為の理解を目的としている。


3)ラーニングコミュニケーションメディア

 修士学生によって行われているプロジェクトで、花の育成に関する学習メディアの開発を行っている。3D仮想空間において、学習者が花を育てる行為をインタラクティブに行うことで得られる経験と、ネットワークを介した学習者同士のコラボレーションから得られる経験とから、花の育成方法に関する学習を行うメディアである。
 学習者は、花の育成方法に関する複雑に絡み合った知識情報を、人とメディアとの関係、メディアを介した他者との関係の中から効率よく学んでいく。このメディアは変化する状況に応じてメディア自身が「自律的に適応していく」ことで学習情報を的確に提供する。そのフレームワークとしてベイジアン・ネットワークを利用している。ベイジアン・ネットワークとは、不確実な情報変数間の因果関係を条件付き確率で表したグラフ構造であり、不確実で曖昧な知識処理を行うことが可能となる。



■ プロジェクト2(次世代サイバーノレッジの研究)における本研究の位置付け:

コミュニケーションを中心とした、デジタルメディアの製作。リアルワールドからシステムを設計することで、社会性をもったコンテンツを作ることが目的である。



■ 研究の発展方向

セマンティック web (+オントロジ) を活用したノレッジメディア開発を行っていく。さらに、ピアトゥーピアのネットワークに加え、オープンソースによる開発環境の導入により、ネットワーク時代の分散型の開発環境を実践することを予定している。また、状況論とアルゴリズムによる開発コンテキストの明確化と、ブランディングアプローチによる社会性の検証の導入によって、より有効なリアルワールドモデリングの研究を行っている。

RealWorldModeling


■ 関連URL

奥出研究室 Okude Laboratory
http://www.ok.sfc.keio.ac.jp