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プロジェクト3

『ダイナミック・キャリア・インフォメーション・システム(DCIS)の構築』


キー本研究のキーワード
【ダイナミック・キャリア・インフォメーション】【全人的情報】【マッチングシステム】【BEI(行動結果面接法)】【意味感性検索】【自律型キャリア開発】

インタビュービデオはこちらからご覧いただけます。

■ 研究者

花田 光世 慶應義塾大学総合政策学部教授
金澤 元紀 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 博士課程
櫻田 周三 慶應義塾大学 SFC研究所所員(訪問)



■ 研究内容の概要:

ダイナミック・キャリア・インフォメーション・システムとは(DCIS)、実際に職場でどのように活き活きと働いたか、またどのように失敗したかという人間の活動・動作における経験情報に注目した。その情報を文書媒体よりテキストマイニングによって抽出することを新たな測定法として確立、従来の測定法と組み合わせることでより多くの情報,「全人的情報」(様々な経験の中で実際に表層化された、一個人の全体情報)を利用し評価するキャリアマッチングシステムである。

このキャリアマッチングシステムは、全人的情報を評価することで、キャリアマッチングにおいて、従来より高い信頼性と適合率を得ることを可能にすると共に、その全人的情報の提供により個人のキャリア自律の促進を促すものである。



■ 研究内容の詳細:

ダイナミック・キャリア・インフォメーション・システムとは(DCIS)、キャリアマッチングという領域において、スキル・知識等の履歴書の文書や、心理テストによる従来の情報を利用した測定法に対し、実際に職場でどのように活き活きと働いたか、またどのように失敗したか、という人間の活動・動作における経験情報に注目した。経験情報を取得するための調査手法として、BEI法(行動結果面接法)を参考にした形の情報収集をおこない、その情報を文書媒体よりテキストマイニングによって抽出することを新たな測定法として確立、従来の測定法と組み合わせることでより多くの情報,「全人的情報」(様々な経験の中で実際に表層化された、一個人の全体情報)を利用し評価することを可能にしたキャリアマッチングシステムである。

このキャリアマッチングシステムは、全人的情報を評価することで、キャリアマッチングにおいて、従来より高い信頼性と適合率を得ることを可能にすると共に、その全人的情報の提供により個人のキャリア自律の促進を促すものであると考える。

また、本研究では全人的情報を得るために新たに経験情報を測定値に含み、その手法を意味的連想検索とした。意味的連想検索とはテキストマイニングの一法である。この手法は、自然言語処理の発達とIT技術発展による処理の高速化により、近年CRMやKMのシステムで文書情報からより高い顧客情報を得る為、利用されており、筆者は本研究の経験情報を測定する為、本手法が応用可能(利用妥当)であると考えた。

最後に本研究の特色である、経験情報の測定法は、従来のジョブサーチマッチング(企業が採用において利用するマッチング)に寄与するだけではなく、個人が自律的にどのような仕事や企業に適合性があるのかを判断するためのキャリアサーチマッチングや、自らのロールモデル、メンター、また仕事を共に行うパートナーを探すパーソンサーチマッチング、そして近しい考えを持つ集団を探すためのコミュニティサーチマッチングに応用可能である。また、これら全4つのシステムマッチングの履歴を蓄積する事でキャリアを振り返るキャリアアセスメントシステムとしての役割を担うことも可能である。

以上、本研究題システムを構築することは、近年の社会・組織の素早い変化のなか、個人のキャリア構築を助ける有効ツールとして大きな役割を果たすものである。

研究の新規性としては、単なるマッチングということではなく、全人的な情報をみるということと、スキル・心理テスト以外でのマッチングがおこなえなかった現状において、新しいツール、意味的連想検索の手法を活用したことに大きな意義がある。

これまでの成果としては、システムの開発とシミュレーションをとして行ってきた。現在社会問題となっているシニアの雇用問題に対処するためのシステムとしての開発を行ってみた。その結果として、実用化するための足がかりとなりうる結果が出たものと考えている。今後の課題としては、辞書の作成、ダイナミック・キャリア・インフォメーションの効果的な抽出、プログラム面の改善などが挙げられている。

システム



■ プロジェクト3(次世代サイバーアプリケーションの研究)における本研究の位置付け:

日本企業における新たなキャリア開発方式(自己責任でのキャリア開発)の確立が必要となっているが、その確立に向けて、個人の経験と仕事を結ぶいままでにない新たなデーターベースと検索システムの開発



■ 研究の発展方向

人材の流動化に対応するための様々な企業経営の現場で活用できるようにプログラムの精緻化を行っていく予定である(キャリア採用、アウトプレースメント、中高年のジョブマッチングなど)



■ 関連URL:

研究室
http://www.hrdc.sfc.keio.ac.jp